先生、甘い診察してください
「あやちゃん、本当に可愛いの。素直で、面白くて、物知りで、笑顔がすっごくいいの!見てると、心がポカポカする……」
しみじみと語りだすもんだから、俺は相づちを打って聞くしかない。
「ねぇ純、僕…どうかしてるよね?」
智也は再びカルテで顔を隠しながら、顔を真っ赤にさせながら言葉を続けた。
「年の離れた子に…惹かれるとか、おかしいよね?告白、本当は…断るの、苦しかった…」
それって…あやちゃんの事、好きって言ってるようなもんだよ?
やっぱ2人、両思いじゃん。なのに……何でこんなじれったい事に?
「年齢の事は気にする事ないんじゃない?年の差恋愛って流行ってるじゃん」
流行ってるかどうかは、わからないけど。
「でも……」
あー、もう!智也って、変な所でいろいろ気にするよね~。
もっと能天気にパーッと生きればいいのに!
「年齢に差がある事も踏まえて告白したんだと思うよ。年の差とか気にしてないと思う」
じれったいけど、2人、ある意味お似合いだと思うよ。
ただ、あやちゃんみたいな子は、智也にはちょっともったいないな……。
「僕、この先どうしたらいいと思う?」
「自分で考えな。自分の問題でしょ?」
俺の助言はここまでにしとくか。
あんまお節介な事はしたくないから。