先生、甘い診察してください
とにかくじれったい。
あんたら2人は、じれったくて、もどかしいんだよ。
……仕方ない。
ここは1つ、俺がカマをかけてやるかな。
「あーあ……。あんたがそんなんじゃ、我慢できないや」
「えっ……」
智也に顔を近づけて、耳元で、
「そんなんじゃ俺、取っちゃうよ?」
と、呟いた。
「え…。取るって…」
「あやちゃん可愛いし、ああいう子、彼女にしたいな~」
「…純」
「俺がもらっていいよね?あやちゃん」
智也が一瞬、明らかに動揺した表情をしたのを、俺は見逃さなかった。
「おっと…そろそろ7時だ。帰ろうっと」
「……」
とりあえず、こんなもんでいいかな。
これで何か行動する気になってくれればいいけど。
それにあやちゃんって、可愛いし、俺の好みかも。
ちょっと年は離れてるけど、ああいう子を彼女にするのも悪くない。
智也が何も行動を起こさなかったら、その時は……俺が奪っちゃおうっと。