先生、甘い診察してください
「やっぱコーヒーは、砂糖たっぷりの方が最高だよね」
喫茶店に連行され、注文したコーヒーに遠慮なく砂糖をガバガバ入れてる櫻田先生。
一体なんでこんな展開に……。
「んっ……!!」
目の前の熱いココアを一口飲んだ時、痛む歯に沁みて慌てて頬を押さえた。
「もしかして……沁みた?」
「はい…。かなり」
苦笑いを浮べる櫻田先生を見て、少し不安になった。
熱い物が沁みたら、ヤバイって事?
「あ、そういえばあやちゃん、ついに告白したんだってね」
「ゴホッ…」
驚きのあまり咽た。
何で……?
「どうして、知ってるんですか?」
「聞いたから。智也に」
何でよりによって口が軽そうな櫻田先生に話しちゃうの?
「…フラれましたけどね。……私の失恋の傷をえぐるためにここに来たんですか?」
「違うってば~!まだ失恋って決めない方がいいよ!」
……意味がわからない。
「ここだけの話、あやちゃんに告白されて智也、まんざらでもないみたいだったよ?」
励ましてくれてるんだろうけど、そういう気遣いは……いらない。