先生、甘い診察してください
何されるんだろう?
まさか、診察台に体を拘束されるとか……?
嫌な予感が全身を駆け巡った。
すると急に、ゴム手袋をした先生の両手が私の顔を包み込んだ。
クイっと顔を真上に向けられたと思ったら、
「……!!」
一瞬、何が起きたのか理解できなかった。
「んふふ。コレが、お仕置きね……」
先生は悪戯っぽく笑ってる……きっと。
マスクのせいで表情がよくわからない。
だけど今、確実に触れた。
私の唇に柔らかいものが。
その柔らかいものは確実に、
「せ、んせ…今……」
先生の唇。
私と先生の唇が、重なった。ほんの一瞬。
だけど、マスク越しだった。
唇が直に触れたわけじゃない。
……今のは、キスのうちに入るの?
「さっ、診察の続きをしよう。その後、ゆっくりお話しようね」
どうしてあんな事をしたのか、その真意は不明。