先生、甘い診察してください
「治療勧告は持ってきた?」
コクンと頷いて、
「コレ…」
所持していた治療勧告をおずおずと差し出した。
それを受け取ったお兄ちゃんは「はい、コレ」と言って、大橋先生に渡した。
「あやの事、任せたよ?」
「うん。あやちゃんの事は僕に任せてー」
大橋先生の笑った顔って、可愛い。それにこの人、顔立ちが幼い。かなり童顔。
「ってか翔太くん。急患が来てたよ。翔太くんがいいって、指名してたよ?」
「早く言ってよ!そんじゃ、あや!なんかあったらすぐ呼んでね!智也、あやの事泣かせたら許さないから!」
お兄ちゃんは走って行ってしまった。
残された私は途端に心細くなった。
個室になってる診察スペースに、2人きり……。
「ここに来るの、初めてだよね?まずは、この問診表を書いてくれるかな」
「はい…」
問診表とボールペンを渡された。