先生、甘い診察してください
「大丈夫ですよ!私が好きなのは、大橋先生だけですから!」
「……あやちゃん」
スッと、先生の手が伸びてきて、頬に添えられた。
ゆっくり近づいてくる先生の顔。
反射的に目を閉じた。
優しく触れる、柔らかい……唇。
―ガチャ
「あー、疲れたー!!」
いい所で、邪魔が入った。
「さっ、櫻田先生!!」
慌てて大橋先生から離れた。
「あれ、もしかして邪魔した?」
はい、思い切り。
「純、邪魔」
あらら、そんなキッパリ。
「人を邪魔者扱いしないでよ~。あやちゃーん!いらっしゃーい」
「きゃあぁっ!!」
ガバッと、櫻田先生が抱きついてきた。
「こら」
バシッと、大きな音が。
「いって~。何も叩く事ないじゃん」
どうやら櫻田先生の頭を叩いたみたい。しかもグーで。
「僕のあやちゃんに触ったらダメ」
「……それ、どういう意味?」
私の腰に先生の手が回され、グイっと抱き寄せられた。
「こういう意味」
再び重なった唇。
甘くて、溶けちゃいそうです。