先生、甘い診察してください



「先生大好きっ!」



診察台から降りて、先生に抱きついた。




「僕も。あ、でも」



肩を掴まれ、体を引き離された。





「呼び方…。彼氏なんだから、先生ってのはやめてほしい」

「えっ!じゃあ、何て呼べば……」



先生は先生だし……。





「下の名前で呼んでよ。智也って」

「えぇっ!!!」



下の名前でって……。



先生呼びが定着してるから、無理かも。





「早く~」



でも、ここは呼ばざる得ないみたい。




「っ……智也、さんっ…」



言えた。


下の名前、呼べた。




「え~、さん付け?呼び捨てがいいのに……」


あぁ、満足してないみたい。




「呼び捨ては無理です!さん付けで呼ばせてください」




男の人を呼び捨てにした事は、当然ない。


そもそも、男の人との交流があんまないから。





「しょうがないなぁ……。今はそれで勘弁しといてあげようっと」

「は、はい」




恋をすると、毎日がキラキラ輝いてたけど。





両思いになると、こんなにもドキドキして、一緒に過ごす時間の一秒一秒が、こんなにもキラキラしてるんですね。






今は、幸せ過ぎて、逆に怖いくらいかな…。



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