先生、甘い診察してください
「村上くんってば、本当にあやちゃんの顔だけ見にきたんだね」
興奮した様子の琉璃ちゃんがそばにきて、私の肩に手を回した。
今のって、お世辞だったのかな?
それにしても智也さん、遅いなぁ。
もう少ししたら私、休憩に入るんだよ?
文化祭、一緒に回りたいのに……。
「「キャー!!!」」
急に、女の子達の悲鳴に近い声が聞こえて、ビックリした。
廊下で女の子達が騒いでる。
「ちょっと!!すっごいカッコイイ人が来てる!!」
「うっそー!誰かの知り合いかな?」
「ヤバイヤバイ!!芸能人みたいっ!!」
廊下から、女の子達の会話が聞こえてくる。
カッコイイ人。それってもしかして……。
「あやちゃーん!やっほー!遊びに来たよ!」
聞き覚えのある、賑やかな声。
私の読みは当たった。
「へー。ここがあやちゃんのクラスのメイド喫茶か!」
「…純、テンション高過ぎ」
「あやちゃん、どうも~」
テンションの高い櫻田先生、逆にテンション下がり気味のお兄ちゃん。
そして愛しい智也さん。
本当に、総出で来てくれたんだ。
女の子達が騒いでたカッコイイ人って、この3人の事なんだろうな。