先生、甘い診察してください
「あのカッコイイ人って、あやちゃんの知り合い!!」
「いいな。羨ましい」
女の子達はみんな口々に、そんな言葉を漏らす。
「あの茶髪の人めっちゃカッコイイね」
「背もたかーい。モデルさんみたい」
あ、櫻田先生の事言ってる。
確かに、カッコイイとは思うけど……。
「ねぇ、あの黒髪の人、素敵じゃない?」
「知的で賢そう」
今度はお兄ちゃんの事言ってる。
智也さんを褒める声は全然聞こえてこない。
「…あやちゃん、もしかして……」
あ、そうだった。紹介しなきゃ!
「うん、そうなの。実は…私の彼氏……」
「キャー!!マジで!!カッコイイ!!めちゃめちゃカッコイイじゃん!」
琉璃ちゃんは興奮しながら、私の肩をバシバシ叩いた。
うぅ、痛いよ。
「あやちゃんの彼氏、超イケメンじゃん!いいな~。私が付き合いたいくらい」
あ、あれ?
「私の彼氏と交換してほしいくらいだよ~」
さっきから琉璃ちゃんの視線は、櫻田先生の方に注がれてる。
まさか、
「茶髪にピアスって、ちょっとチャラそうだけど…気さくで優しそうな人じゃん」
やっぱり!!
琉璃ちゃんったら、私の彼氏は櫻田先生だって勘違いしてる。