先生、甘い診察してください
「日向くんっ!実はねっ…!」
「わっ…。ビックリした」
私が急に大声を出すもんだから、日向くんは驚き顔。
構わず話を続けた。
「実はね……私、彼と付き合ってるの」
と、言った後、智也さんの手を握った。
「……は?」
日向くんは、ポカーンとした表情をして、フリーズした。
「……冗談?」
「本当、だよ…?」
日向くんの顔が、一気に曇ったと思ったら……、
「こんなおっさんが彼氏とかあり得ないっ!!」
耳がキーンと痛くなるような声が、教室内全体に響いた。
「この人のどこがいいわけ?明らかにかなり年上でボサッとしてんじゃん!!」
らしくもない、暴言。
そ、そんな失礼な事言わなくても……。
「つーかぶっちゃけ、この人より…まだ、あのチャラい…櫻田純って人の方がいいんじゃないの…?」
その言葉は、何気にショックで、胸に強く、深く、突き刺さった。
「あの、あなた…何歳?」
ねっ、年齢聞いちゃった!!!
「35歳だよ」
あぁ…智也さんったら、答えちゃった。
「35って…ますますあり得ないっ!!あや、こんなおっさんと付き合うの、今すぐ止めろ」
どうして?