先生、甘い診察してください
「まずは口の中を見させてもらっていいかな?最初は見るだけね」
「…わかりました」
正直怖いけど、この先生なら大丈夫…。
「最初だから、歯式を記入してもらう人が必要だな…。ちょっと待っててね。すぐ戻るから」
先生は椅子から立って奥へと行ってしまった。
「お待たせ。1人にしちゃってごめんね?」
大橋先生の後ろには、もう1人。白衣を来た男の人が。
「初めまして!櫻田純です! よろしく、あやちゃん。あ、名前は翔太から聞いて知ったんだ。あいつ妹の話しかしないから」
「この人、うちに勤務してる先生ね」
髪の毛は、医者らしくない茶髪。モデルみたいにスラッと背が高く、人懐っこくて、太陽みたいな笑顔が印象的。
そういえば、大橋先生も髪の毛の色が若干茶色っぽいかも。
「うちは小さな医院だから、僕と翔太くんと純の3人だけでやってるの」
座っていた診察台がゆっくりと倒され始めた。