先生、甘い診察してください



「多分、娘を嫁に出す気分なんじゃないかな」


娘?


嫁?




「私…お兄ちゃんの娘じゃない」



妹なんだけど。




「なんていうか、あの人シスコンだから、あやちゃんが遠くに行っちゃうみたいで寂しいんだよ」



智也さんの意見には、納得するような…しないような。





「極端に言えば、いつまでも妹離れができない甘えん坊兄って事」


あらら、キッパリ言いますね。





「まっ、そのうち賛成してくれるって。大丈夫」



根拠のない事を言って、智也さんはアイスコーヒーを一口飲んだ。



私も目の前のリンゴジュースを飲もうとした、その時、



「あ、そうだ」


智也さんが思い出したように呟いた。





「あやちゃんのご両親に、近々あいさつしなきゃね」

「あっ、そうですね!」



そういや彼氏ができた事、お父さんお母さんには言ってなかった~。



2人とも帰ってくるの遅いから、タイミングがなかなか。




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