先生、甘い診察してください
さて、本題に入るか。
「智也、お前、もっとメリハリつけた方がいいぞ」
俺の話の意図がわからないらしく、キョトンとした顔をされた。
「つまり…陽菜ちゃんの事だよ」
「陽菜ちゃん?あの子は、ただの患者さんだよ?」
こいつの鈍感さは面白いけど、たまにイラっとくる。
「あ、でも陽菜ちゃんは妹みたいな存在かなぁ」
「ふ~ん」
やっぱ気づいてないか。
陽菜ちゃんの気持ちに……。
「とにかくさ、あんな風に抱きしめられたら、すぐ引き離すべきだと思うよ?」
あれじゃ、あやちゃんが傷つくのも無理ない。
「でも、僕が好きなのはあやちゃんだよ?陽菜ちゃんは妹的な存在だし…」
あー、ダメだ。
こいつ…俺が何を言いたいのか、わかってないな。
「全く!そんなんだから翔太が認めてくれないんじゃないの?」
「え~?」
とにかく、わかりやすく説明しないと。