先生、甘い診察してください
「自分の好きな人が、他の女の子に抱きしめられてたら、ショックだよ。しかもお前、拒絶してなかったし」
いっその事、俺があやちゃんを攫ってしまいたい、とすら思った。
「…そういうの、考えてなかった……」
まっ、こいつは恋愛経験がほとんどないから、仕方ないだろうけど。
「謝るなら、俺じゃなくて、あやちゃんだよ」
「…うん」
「今度、陽菜ちゃんにああいう事されたら、彼女がいるからって言って、拒否しちゃいな。受け入れちゃダメ」
俺の問いに、智也は微かに首を縦に振った。
…さて。
真面目な話は、これくらいでいいかな。
後は、智也自身が解決する事だ。
俺が口出しするのは、ここまで。
「よっしゃー!たくさん飲むぞー!今日は奢れよ」
「え~。嘘……」
唖然とする智也をよそに、俺は久々に飲んだ。
そのせいで次の日、案の定、酷い二日酔いに襲われたけど。