先生、甘い診察してください
智也さんの方は見ずに、ただ耳を傾けた。
「不安にさせて、ごめん……!」
耳に入ってきたのは、謝罪の言葉。
智也さんが言ってるのはきっと、陽菜ちゃんの事。
「不安にならないでほしい…って言っても、無理かもしれないけど」
足音が、近づいてくる。
ギュッと、後ろから抱きしめられた。
吐息が、私の耳にぶつかる。
「僕が好きなのは…あやちゃんだけ。他の女の子なんて、眼中にない」
耳元で囁かれたのは、微かに震えた声
彼の気持ちがこもった声。
「初めて、なんだよ?一緒にいたいって思った女の子はあやちゃんが初めて……」
ねぇ、智也さん……。
「こんなに、好きになった子は…あやちゃんが初めて。本当に……大好き…」
今、あなたはどんな表情をしてるんですか?
智也さんの、今の表情が見たい。