先生、甘い診察してください
彼の腕を離して、振り向いて彼の顔を見た。
「…赤い」
彼の表情は、想像通り。
赤い。
真っ赤な顔して、優しく笑ってた。
優しい顔。
私の大好きな笑顔。
「不安にさせて、本当…ごめん。もう絶対、不安に…させない」
私は、智也さんの手を握った。
そして一言、
「大好き」
と言った。
「…あ、あやちゃん」
見る見るうちに智也さんの目が潤んで、
「あやちゃーん!!」
人目も気にせず、ガバッと抱きついてきた。
周りにいる人達は、みんなこっちを見てる。
注目の的になってる……。