先生、甘い診察してください
「ねぇ、あれって…あやちゃん、だよね?」
「一緒にいるの…彼氏、じゃない?」
あ、同じクラスの子達だ。
思いっきり目立ってるんですけど……。
「許してくれなかったらどうしようかと思ったぁ…。あやちゃんに嫌われたらヤダもん」
智也さんは人目も気にせず泣いてる。
「嫌いになるわけ、ないですよ」
私だって、智也さん以外の男性は眼中にない。
日向くんの告白だって、返事は保留にしてるけど…ちゃんと断るつもり。
「あやちゃんの彼氏ってさ、普通だよね…?」
「うん。めちゃくちゃ、ザ・普通の人じゃん」
周りにいる子達が、そんな話をしてるのが聞こえた。
失礼な事を……。
「智也さん、場所変えましょうか……」
とにかくここは学校の敷地内。
さっさと場所を変えた方がよさそう。