先生、甘い診察してください
初めての治療
再びまな板の上の鯉になった私。
「最初に、麻酔をするね」
「麻酔って、痛いんですか…?」
注射=痛いっていうのが私のイメージ。
「チクッとするけど、一瞬で済むから大丈夫大丈夫~」
緩い言い方に、少し体の力が抜けた気がした。
「ゆっくりでいいから、大きくあーんしてね」
ゆっくり口を開くと、「ごめんね。チクッとするよー?」と声をかけられて、一瞬歯茎にチクッと小さな痛みが。
「がんばったね~。よし、もう1本打とうね」
また…?
不安な思いが伝わったのか、先生はニコッと微笑んで
「んふふ、大丈夫。さっきと同じ、一瞬だよ?ね?」
優しい口調で言うもんだから、つい安心しちゃって、コクッと小さく頷いた。
麻酔を打たれて、効くまでの間待つ事に。その間、先生は治療の準備をしていた。
(…この先生って、何歳なんだろう)
顔はかなり幼い。お兄ちゃんより若いよね?