先生、甘い診察してください
「その時から、なんとなく…あやの気持ちに、気づきつつあった」
さすが幼馴染……。
今まで日向くんは、どんな気持ちで私のそばにいたんだろう?
「日向くん…気持ちは本当に嬉しいの。でも……ごめん」
私にできるのは、気持ちを受け取る事だけ。
「日向くんとはこれからも…友達で、いたいの……」
「あや……」
抱きしめる力が弱くなり、私は日向くんの腕から解放された。
「そんなに…あの男が、好きなのか?」
「うん…」
「容姿は全然普通だけど?」
「私からしたら……可愛いと、思う……。頼りなさそうだけど、意外としっかり者だし」
馴れ初め話してるみたい…。
でも全部本当の事。
嘘偽りのない、事実。
「あやの気持ちは、よーくわかった。よっぽど、あいつが好きなんだな」
と、小さく笑ったかと思ったら……、
「でも、ごめん」