先生、甘い診察してください



再び怪しくなる雲行き。





「やっぱまだ……認めるのは、ちょっと……。ごめん」



何で?


日向くんは、謝る必要なんて……ないよ。




好きって気持ちは、簡単に消せるモノじゃないから。


私もそうだった。




智也さんに告白して断られた後も、ずっと引きずってた。


終わった恋を引きずって、恋心を封印できなかった。




好きって気持ちは、消えてくれなかった。





「謝らないで、日向くん……」



ポンッと、日向くんの手が私の頭の上に置かれた。





「もう少し、時間をちょうだい。あやには幸せになってほしい…。だから2人の事、認めるのに少し時間を欲しい」



私は素直に頷いた。



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