先生、甘い診察してください
2人の距離は、役10センチくらい?
「…大丈夫?」
櫻田先生の心配そうな声が、耳元で呟かれた。
「…無理、です」
もう無理。
これ以上は、見てられない。
「ダメだよ。陽菜ちゃん」
耳に入ってきたのは、智也さんの少し強めの口調。
再び診察室の方に視線を移すと、智也さんは陽菜ちゃんの肩を押して、突き放してた。
「こういう事は、やたらむやみにしたらダメ。映画も、お友達と行きな。ね?」
陽菜ちゃんの表情が、見る見るうちに悲しそうな表情へ変わっていく。
「何で…そんな事、言うの……?」
「彼女がいるから。僕には、とっても大切な彼女がいるの。だから他の女の子と、こういう事はしたくないんだ」
キッパリ、ストレートな言葉に、つい赤面。