先生、甘い診察してください
「実はいろいろあってね……」
私はあれ以来、日向くんを少し避けるようになった。
だから全く会話を交わしてない。
どういう顔して会えばいいか、考えれば考える程、わからなくなったから。
「そんで、彼氏とはどうなの?愛しい彼とはどうなの~?」
ニヤニヤしながら、肘で私のわき腹を突いてきた。
「どうって……まぁ…」
智也さんとの仲は順調。
ただ……、
「いろいろ壁が多くて……」
彼との仲は順調なのに、壁が多い気がする。
「翔太さん、交際に反対してるんじゃないの?」
……鋭い。
あなた、エスパー?
「うん、そうなの。ずっと反対してて……」
そうだ。
兄に認めてもらうという、大きな試練があったんだった。