先生、甘い診察してください
「ごちそうさま……」
箸を置いて、椅子から立ち上がった。
空気が重い。
あまり食が進まない。
「……もう、いいの?」
「うん…」
「結構、残ってるけど……」
「…うん」
交わされるのは、ぎこちなさのある会話。
「もしかして歯、痛い…?大丈夫?」
だけど、ちゃんと心配してくれる。
なんだかんだで兄は優しいから。
「うん…、大丈夫……」
お兄ちゃんの事は好き。
大好きだからこそ、ちゃんと認めてもらいたいよ……。