先生、甘い診察してください




「ごちそうさま……」



箸を置いて、椅子から立ち上がった。




空気が重い。


あまり食が進まない。





「……もう、いいの?」

「うん…」

「結構、残ってるけど……」

「…うん」


交わされるのは、ぎこちなさのある会話。







「もしかして歯、痛い…?大丈夫?」



だけど、ちゃんと心配してくれる。


なんだかんだで兄は優しいから。





「うん…、大丈夫……」





お兄ちゃんの事は好き。



大好きだからこそ、ちゃんと認めてもらいたいよ……。




< 280 / 497 >

この作品をシェア

pagetop