先生、甘い診察してください
「次は根っこに溜まった膿を出すね」
次の作業を説明された。
「この作業は、麻酔が効かないからちょっと痛いよ?でもすぐ済むからね」
口の中に神経を取るための“ファイル”という器具が入れられて、歯の奥に入ってきたと思ったら、
「んんっ!!んっ…あっ、ぁ…」
響くような痛みが襲ってきた。
「痛いね。ごめんね。今、悪い所を綺麗にしてるから」
「ぃやっ…やらっ…!」
「もう少し楽になるから、嫌だけどがんばってね」
痛くて痛くて、泣いて叫んでた。
その後、徐々に痛みは緩和されていき、歯の根っこに強烈な匂いの薬が詰められて、歯に詰め物がされて終わった。
「お疲れ様でした」
全てが終わった時には、グッタリしてた。
「大丈夫?疲れちゃったね…」
先生の額には汗が。
根っこの治療って力がいるんだね。
「先生…、ありがとうございました…」
「いいえー」
あんなに泣き喚いたのに、怒らなかったのがすごい。