先生、甘い診察してください



「次は根っこに溜まった膿を出すね」


次の作業を説明された。



「この作業は、麻酔が効かないからちょっと痛いよ?でもすぐ済むからね」



口の中に神経を取るための“ファイル”という器具が入れられて、歯の奥に入ってきたと思ったら、




「んんっ!!んっ…あっ、ぁ…」


響くような痛みが襲ってきた。



「痛いね。ごめんね。今、悪い所を綺麗にしてるから」

「ぃやっ…やらっ…!」

「もう少し楽になるから、嫌だけどがんばってね」



痛くて痛くて、泣いて叫んでた。





その後、徐々に痛みは緩和されていき、歯の根っこに強烈な匂いの薬が詰められて、歯に詰め物がされて終わった。



「お疲れ様でした」


全てが終わった時には、グッタリしてた。



「大丈夫?疲れちゃったね…」



先生の額には汗が。

根っこの治療って力がいるんだね。



「先生…、ありがとうございました…」

「いいえー」


あんなに泣き喚いたのに、怒らなかったのがすごい。


< 29 / 497 >

この作品をシェア

pagetop