先生、甘い診察してください

愛情とシスコン




「あー、そういえば……」


家までの道を、手を繋いで歩いてると、智也さんがポツリと呟いた。




「最近、陽菜ちゃん……あれ以来、来てないんだぁ」


明らかに心配そうで、ちょっぴり複雑な気分になった。




「まだ治療途中だったから、痛みが出てないか…心配で」


きっと智也さんは陽菜ちゃんの事、患者さんとして心配してるんだね。




私はギュッと智也さんの手を握った。


そしたらギュって握り返してくれた。







「あやっ!!」


後ろから突然、聞き覚えのある声が。




「…日向くん……」


振り向くと、そこにいたのは息を切らした日向くん。



< 296 / 497 >

この作品をシェア

pagetop