先生、甘い診察してください
愛情とシスコン
「あー、そういえば……」
家までの道を、手を繋いで歩いてると、智也さんがポツリと呟いた。
「最近、陽菜ちゃん……あれ以来、来てないんだぁ」
明らかに心配そうで、ちょっぴり複雑な気分になった。
「まだ治療途中だったから、痛みが出てないか…心配で」
きっと智也さんは陽菜ちゃんの事、患者さんとして心配してるんだね。
私はギュッと智也さんの手を握った。
そしたらギュって握り返してくれた。
「あやっ!!」
後ろから突然、聞き覚えのある声が。
「…日向くん……」
振り向くと、そこにいたのは息を切らした日向くん。