先生、甘い診察してください




「どうやら俺が、お前を困らせてるみたいだから……認めてやるよ。この方が、お前は幸せだと思うから」



ニコッと微笑む日向くんの頬には、一筋の涙が伝っていた。




日向くんの涙を初めて見た瞬間だった。





「やったね~。認めてもらえた~。これで公認カップルだね!」



呑気に浮かれ、若干空気が読めない智也さん。


だけど急に真剣な顔になって、





「日向くん、あやちゃんを必ず幸せにさせていただきます」


と、何故か頭を下げた。



まるで父親にあいさつしてるかのようなセリフ……。







「泣かせたらぶっ飛ばすから。……認めるけど、でもその前に」




私の頬に、日向くんの右手が添えられた。



ビックリして日向くんを見れば、悪戯っぽい笑顔を向けられた。



…かと思ったら……、



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