先生、甘い診察してください
「し、仕方ないだろ!!」
急に立ち上がって、ダンっとテーブルを叩くお兄ちゃん。
「昨日は純に強引に飲みに連れて行かれてさ、酒を勧められて…。酔ったせいで途中から記憶がなくて…気づいたら家の玄関で寝てて、明け方だったんだよ」
私の知らない所で、そんな事が……。
「おかげで…頭痛がするし……」
いろいろ大変だったんだなぁ、と心の中でいたわった。
「そんで、あやが帰ってきてない事に気づいて慌てて携帯に連絡しまくったんだよ」
普段は冷静なのに、こういう所は全然冷静じゃない。
「ったく…朝帰りなんて。高校生をたぶらかすなんて…だいたい俺は認めてなんか」
ブツブツと、負のオーラを漂わせながら呪文のように言葉を呟くお兄ちゃん。
その姿に、正直引いた。