先生、甘い診察してください




「でも……でもさ……」



テクテクとそばへ来て、お兄ちゃんは私の横に立った。





次の瞬間。



ギュ~っと潰れるんじゃないかってくらいの力で抱きしめられた。







「やっぱ寂しいじゃんか~!!!ずっとずっと、俺だけの可愛いあやだと思ってたのにー!!!」


と、絶叫して泣き始めた。



これには、唖然とするしかなかった。


智也さんはクスクス笑ってる。



何??この状況。





「こらこら、離してやりな。あやちゃんが潰れちゃう」



智也さんが、冷静にお兄ちゃんと私を引き離した。





「あやちゃん、翔太くんはね、ただ単に寂しかったらから反対してただけ」

「…寂しい?」

「可愛い妹を手放すのが、寂しくて、どうしようもなく嫌だったんだよ」



なるほど…。


それを聞いて、納得した。



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