先生、甘い診察してください
「あやちゃんはね~、僕がもらうから」
「ほえっ!!」
またまた飛び出す爆弾発言。
「はぁっ!!もらうって……」
「あやちゃんを、僕にください」
床に座って、智也さんは手をついてペコッと頭を下げた。
な、何コレ?コント?
智也さんってば、親にあいさつしてるわけじゃないんだから……。
「で、でも……」
「お願い。ちょうだい?お兄さん」
「おっ、お兄さんって気安く呼ぶなっ!!」
あの張り詰めた空気が嘘のよう。
今はすっかり緩い空気に。
「あやを嫁に出すなんて、そんな寂しい事できるかー!!!」
いつまで経っても妹離れできない兄。
反対の理由を知って、少しホッとした。
呆れるくらいシスコンだけど、それも一種のお兄ちゃんの愛情なんだよね。