先生、甘い診察してください
19歳の年の差。
この年齢差は大きい。
「先生って…実際の年齢より、若く見られません?」
「そういえば…昔からよく童顔って言われたかなぁ。でも、そんな童顔かな?」
自覚なしですか。
「帰りますね…。長居したら、悪いし」
もう少しお話したいけど長居するのは悪いもんね。
「あっ、そうだ!ちょっと待って!」
診察室から出て行こうとしたら、急に引き止められた。
「治療がんばったから、ご褒美ね。手を出して」
言われた通り手を出すと、手の上にコロンと飴玉が置かれた。
「あんまり良い物じゃなくてごめんね?よくがんばってたから」
ご褒美に飴なんて、可愛い。
治療は痛くて散々だったけど、結果的には来てよかった。
「35歳、か…」
医院を出て、ポツリと漏れた。
年齢差があまりにも大き過ぎる事にはショックを受けた。