先生、甘い診察してください
甘恋02
初恋とジェネレーションギャップ
その日の夜。
お兄ちゃんに、いろいろ聞かれた。
「あや!俺がいなくても大丈夫だった?酷い事された?嫌な事されなかった?」
今は夕飯を食べてるんだけど、さっきからずっとこの調子。
夕食のメニューは麻婆丼。
「どういう治療したの?智也、あやのプライバシーの侵害になったら困るからって、教えてくれなくて」
プライバシーって…。
「今日は、根っこの治療したの。なんか歯の根に膿が溜まってたみたいで…」
お兄ちゃんが手からスプーンを落とした。
「だっ、大丈夫だったの!!あの治療めっちゃ痛いでしょ?泣いた?智也に泣かされたんだな!」
28歳にもなって、なんて落ち着きのない人。
「痛かったけど…。でも、大丈夫だったよ」
痛くても何とか治療を受けられたのは、治療してくれたのが大橋先生だったからだと思う。
「大橋先生って35歳に見えないよね。すごい童顔だもん」
「確かに。俺よりも、若く見えるよなぁ…」
ああいうルックスなら、やっぱり……。
「モテるよね?大橋先生って」
「そりゃあ、モテるね。顔は可愛い系だし、物言いだってすっごい優しいし」
…さっきから大橋先生の話ばっか。どうしちゃったんだろう、私…。