先生、甘い診察してください




「ふふっ……」

「ちょっと……何笑ってるの!」



つい、笑いが漏れた。





「ごめん。でも、智也さんが怒る事はまずないから大丈夫だよ」



怒るなんて、ありえない。






「でも……」

「大丈夫だよ。智也さんは患者さんを褒める事はあっても怒る事はない!!」


…みたいな事、ドヤ顔で言ってたなぁ。





「さっ、一緒に入ろう。陽菜ちゃん」

「ちょっ……」



陽菜ちゃんの手を引いて、中に入った。







「あっ、いらっしゃーい!あやちゃん……と、陽菜ちゃん!?」



私達が一緒にいるのを見て、櫻田先生が目を見開いた。





「えっと……陽菜ちゃん、いらっしゃい」

「……」



苦笑いしながら、櫻田先生は診察室の方へと走って行った。




「私…あの人、嫌い」

「えっ……」

「チャラチャラしてて……何か怖い……」



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