先生、甘い診察してください
ちょっと同感かも……。
「瀬川先生も嫌。頭の固い医者って感じがして……無理」
陽菜ちゃんってば、うちの兄にそんなイメージを。
クスッと私はまた小さく笑った。
「陽菜ちゃんっ……!!」
そんな話をしてると、診察室から智也さんが出てきた。
「いらっしゃい、あやちゃん」
「どうもです」
ニコッと私に微笑むと、智也さんは心配そうに陽菜ちゃんの方へ。
「痛み出しちゃったか……。大丈夫、すぐ痛みを取ってあげるからね」
なんだか…少し陽菜ちゃんが羨ましく感じた…。
「智也先生……ごめんなさい、私……」
泣きながら、陽菜ちゃんは智也さんに抱きつこうとした。
でも、
「ダメだよ。こういう事は、彼女以外とはしたくないから」
と、陽菜ちゃんの肩を抑えてさり気なく拒否。