先生、甘い診察してください
最後の治療と2人の時間
「ねぇ!純と2人で何してたのー?」
2人きりになった途端、詰め寄ってきた。
「トランプとか…おしゃべり、とか…?」
あ、疑問系になっちゃった。
「へーえ」と言いながら、私の顔を凝視した智也さんは、
「……あやちゃん」
顔を近づけてきて、私の唇をペロッと舐めた。
「いっ、いきなり何を……」
「お菓子食べたでしょ?口元に付いてた」
嘘っ!!恥ずかしい……。
「何食べたの?」
「マカロンを……。アーモンド味の」
「……ま…まろん?」
それは栗です。
カタカナに弱いんですね。
「甘い物食べたなら、歯磨きしておこうか」
「え?ちょ、ちょっと……」
手を引かれ、強制的に診察室に連行された。