先生、甘い診察してください




「あやちゃーん!本屋寄って帰ろうよ」



放課後、いつもみたいに琉璃ちゃんに誘われたけど…。



「ごめん。用事があるから…」

「そっか~。じゃあ、また明日ね」


サボるわけにはいかないからね。お兄ちゃんはサボっていいよって言ってたけど。






「こ、こんにちは…」


学校から歩いて、10分くらいで着いた。




「おっ、あやちゃん!いらっしゃい!」

「ど、どうも…」


受付のカウンターには櫻田先生がいた。



「保険証出してねー。智也がさー、心配してたよ」


何で心配を?



「治療でたくさん泣かせたから、今日来るかなって」


なるほど…。



「座って待っててね」


櫻田先生は奥へと行ってしまった。



ソファーに座って、待合室内をキョロキョロ見渡した。


クマのぬいぐるみがたくさん置いてある。もしかして大橋先生ってクマが好きなのかな?




「あやちゃん」

「はっ、はい!!」


いきなり声をかけられた事にビックリして、大声が出た。



「ビックリし過ぎ~。いらっしゃい。よく来たね~いい子」



頭をポンポンと撫でられた。




< 35 / 497 >

この作品をシェア

pagetop