先生、甘い診察してください
「あやちゃーん!本屋寄って帰ろうよ」
放課後、いつもみたいに琉璃ちゃんに誘われたけど…。
「ごめん。用事があるから…」
「そっか~。じゃあ、また明日ね」
サボるわけにはいかないからね。お兄ちゃんはサボっていいよって言ってたけど。
「こ、こんにちは…」
学校から歩いて、10分くらいで着いた。
「おっ、あやちゃん!いらっしゃい!」
「ど、どうも…」
受付のカウンターには櫻田先生がいた。
「保険証出してねー。智也がさー、心配してたよ」
何で心配を?
「治療でたくさん泣かせたから、今日来るかなって」
なるほど…。
「座って待っててね」
櫻田先生は奥へと行ってしまった。
ソファーに座って、待合室内をキョロキョロ見渡した。
クマのぬいぐるみがたくさん置いてある。もしかして大橋先生ってクマが好きなのかな?
「あやちゃん」
「はっ、はい!!」
いきなり声をかけられた事にビックリして、大声が出た。
「ビックリし過ぎ~。いらっしゃい。よく来たね~いい子」
頭をポンポンと撫でられた。