先生、甘い診察してください




私の口の中を乱した彼の舌は、今度は丁寧に歯列をなぞった。


その行為に、ゾクッとしつつも……ゾワッと、言いようのない気分になった。




彼に溺れて、溶けちゃいそう。




慣れないキスで、戸惑いと、どうやって呼吸したらいいかわからず、苦しくなって……。





「んっ…んんっ……!!」



ポンポン、と彼の背中を叩いた。



するとハッと我に返ったのか、





「ごめんっ……」



私の肩を押して、慌てて体を引き離した。





引き離された私は、診察台の背もたれにもたれて、グッタリしてた。


酸欠状態だったので、大きく呼吸をした。




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