先生、甘い診察してください



「あやちゃん、ごめんっ……!!」



眉を下げ、弱々しく謝ってきた。


その表情は本当に申し訳なさそうだ……。





「怖かった、よね…?僕、どうかしてる……」



少し切なそうに呟きながら、彼は指で私の口から垂れた唾液を拭った。





「汚いですよ……」

「ううん。あやちゃんのなら、綺麗だもん……」




慣れない事をしたせいか、気まずい空気が漂う。






「智也さん……」

「ん…?」

「ビックリはしました…けど、嫌じゃ…なかった、です……」



言った瞬間、恥ずかしくなった。





「きょ、今日は……帰りますねっ!!」



気まずくて、逃げるようにその場を後にした。




< 378 / 497 >

この作品をシェア

pagetop