先生、甘い診察してください
「あやちゃん、ごめんっ……!!」
眉を下げ、弱々しく謝ってきた。
その表情は本当に申し訳なさそうだ……。
「怖かった、よね…?僕、どうかしてる……」
少し切なそうに呟きながら、彼は指で私の口から垂れた唾液を拭った。
「汚いですよ……」
「ううん。あやちゃんのなら、綺麗だもん……」
慣れない事をしたせいか、気まずい空気が漂う。
「智也さん……」
「ん…?」
「ビックリはしました…けど、嫌じゃ…なかった、です……」
言った瞬間、恥ずかしくなった。
「きょ、今日は……帰りますねっ!!」
気まずくて、逃げるようにその場を後にした。