先生、甘い診察してください
そこに立っていたのは…。
「なんか久しぶりだなー。今、帰りか?」
「日向くん」
幼馴染であり、唯一の男友達である村上日向くん。
幼稚園の頃からの付き合いで、お兄ちゃんが唯一関わる事を許してくれてる男の子。
「学年一緒なのにクラスが違うからあんま話す機会ってないよなー。家も近いはずなのに」
日向くんの笑顔は、相変わらず眩しい。元気いっぱいの笑顔。
背も高くて、髪の毛は鮮やかな明るい茶髪。
「よかったらさ、一緒に帰ろうよ!」
「えっ…」
「あ、都合悪い?一緒に帰る人いる?」
眩しいくらいニコニコしてたのに、急にシュンッとしてしまった。
そんな顔されたら、私……。
「途中までなら…いいよ」
「本当?やった!」
日向くんは、シュンッとした顔より、笑顔の方が似合ってる。
そうだ!日向くんにも、“あの質問”してみようっと。
「あやと帰るの久しぶり~。テンション上がるー!」
一緒に廊下を歩いてると、感じる。視線を…。
女の子達の視線だ。日向くんって、モテるから。中学の時もよく告白されてた。
どうして彼女を作らないのか、不思議でたまらない。