先生、甘い診察してください





「あ、そろそろお昼だけど食べれそう?」



智也さんが時計を見て、そう言った。





気持ち悪くて、食欲はあんまないんだけど。





「酸っぱい物……あります?」



どういうわけか、酸っぱい物は無性に食べたい。






「梅干があるよ~。あやちゃん、酸っぱい物好きだったっけ?」

「最近、ほしくて……」




元々、酸っぱい物は嫌いでないけど、好きでもない。







「おいしい……」



次々と梅干を頬張って、それを智也さんはニコニコしながら保護者のように見守ってた。



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