先生、甘い診察してください
医院に到着して、中に入ったら。
「あれ……あやちゃん」
「あっ……」
待合室には陽菜ちゃんが。
ソファーに座って本を読んでる。
会うのは…あの日以来。
「こんにちは」
気まずさを感じてたのに、陽菜ちゃんはニコッと可愛らしい笑顔を向けた。
「今、智也先生、急患の人を診察中なんだって」
「そ、そっか」
「ここ、座ったら?」
トントン、と陽菜ちゃんは自分の隣を軽く叩いた。
「失礼します」と呟き、隣に腰を降ろした。