先生、甘い診察してください
「今日は、検診?」
「うん…」
「私も」
何事もなかったように、普通に話しかけてくる陽菜ちゃん。
私も…普通にしてれば、いいのかな…。
「本当に、ごめんね?」
「え…?」
陽菜ちゃんは、申し訳なさそうな顔で私を見つめてる。
「あやちゃんの事、いろいろ…困らせて……」
「ううん!もう過去の事だし……そんな、気にしないで…」
むしろ、傷ついてるのはきっと陽菜ちゃんの方。
失恋の傷ってそう簡単には消えないはず。
「これからは……友達として、仲良くしてくれるかな…?」
差し出された、綺麗な手。
私は迷いなく、その手を握った。
握手をして、私達はお互い、顔を見合わせて笑った。