先生、甘い診察してください





「え……」




でも智也さんの耳には、しっかり届いたようで戸惑いの声が聞こえた。






「今までの……妊娠の症状、だったみたいで……」



智也さんは、無言のまま私の手を取り、そのまま診察室に入り、奥の休憩室へ。




ソファーに座らされ、智也さんは無言で隣に腰を降ろした。




何?この気まずい空気。








「あやちゃん、誰の子を妊娠したの?」



やっと口を開いたと思ったら、お約束のトンチンカン発言。







「あなたのですよ……」

「え?」

「智也さんの子を、妊娠したんです!!」



思わず立ち上がって、絶叫した。






「えぇー!!!!!」



そして智也さんの絶叫もうるさいくらい響いた。





< 459 / 497 >

この作品をシェア

pagetop