先生、甘い診察してください
「え……」
でも智也さんの耳には、しっかり届いたようで戸惑いの声が聞こえた。
「今までの……妊娠の症状、だったみたいで……」
智也さんは、無言のまま私の手を取り、そのまま診察室に入り、奥の休憩室へ。
ソファーに座らされ、智也さんは無言で隣に腰を降ろした。
何?この気まずい空気。
「あやちゃん、誰の子を妊娠したの?」
やっと口を開いたと思ったら、お約束のトンチンカン発言。
「あなたのですよ……」
「え?」
「智也さんの子を、妊娠したんです!!」
思わず立ち上がって、絶叫した。
「えぇー!!!!!」
そして智也さんの絶叫もうるさいくらい響いた。