先生、甘い診察してください
腰に、腕が回された。
そのままそっと体を抱き寄せられた。
「あやちゃんは、どうしたい?」
後ろから抱きしめられ、耳元で囁かれた。
「私は……」
きっと智也さんは、産んでほしいと思ってる。
でも、私が産まないって言えば、「そっか」ってあっさり認めてくれるだろう。
だけど。
「産みたい、です……」
せっかく、宿った命だもん。
私と智也さんの子。
何が何でも産みたいってのが、私の率直な気持ち。