先生、甘い診察してください
殴られる!!
咄嗟に目を閉じて、身構えたけど、いつまで経っても衝撃は来ず……。
ポン、と頭の上に手が乗せられた。
目を開くと、お兄ちゃんの顔は怒ってる、というよりも悲しそうな顔だった。
「ったく。何で…言わなかったんだよ…」
ポンポンと頭を撫で、そのまま台所へ。
すかさず智也さんが来て、私の右隣に座り、櫻田先生は左隣に座った。
「あやちゃーん!!翔太くんが怖かったよ~」
子供のように、縋り付いてきたので、よしよし、と頭を撫でてあげた。
「大変だったんだよ?智也を殴ろうとする翔太を、必死に止めたんだから」
修羅場になったらしい。
やっぱり……私が自分で言うべきだったかな?