先生、甘い診察してください
「でもま、新しい命が宿る事は逆に良い事だからね……」
「お兄ちゃん……」
そっと、自分のお腹を撫でた。
ふいに、肩に智也さんの手が置かれ、グイっと抱き寄せられた。
「と、いうわけで、翔太くん!僕はあやちゃんと我が子を幸せにしまーす!」
自信満々に、堂々宣言。
カァーっと真っ赤に染まる頬。全身が赤くなった気がした。
「幸せに、か…。じゃあ、産むつもりなの?」
問いかけに、コクンと頷いた。
そしてお兄ちゃんの目を見て。
「うん。産むよ。絶対に…産みたい……」
ハッキリと、宣言した。
心に決めたから。
反対されても産むって。
この子を大事に、育てたいって……。