先生、甘い診察してください




「そっかぁ。決意、固いみたいだな」



やれやれ、という風にお兄ちゃんは肩を落として、真剣な顔をして。







「子供を産んで育てるってのは、簡単な事じゃない。覚悟、ある?」



やや低めのトーンで言った。






「あるよ。すごくある……」



胸を張って、言い切った。



それを聞いたお兄ちゃんは少しホッとした表情を浮かべ、今度は智也さんに視線を移した。







「あやを絶対に見捨てない?絶対に幸せにする自信はある?」


かなりプレッシャーのかかる問いかけだった。


でも……。





「あるよ。もちろんじゃん。あやちゃんを見捨てるとかないよ~」



即答した智也さんは、いつも通りニコニコフワフワしてた。




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