先生、甘い診察してください
「ってか、翔太くんが認めてくれたの意外だった」
智也さんも、私と同じ事を思ってたらしい。
サラリと、そう口に出して言った。
「そりゃあ心配だし、聞いた時は焦った……。でも、小さな命を捨てろ、なんて言うわけないよ」
そう言いながら、テーブルの上の氷がほとんど溶けたお茶を手に取った。
「だから逆に、産むって言ってくれて…安心してるよ」
小さく笑って、コップのお茶を飲み干した。
反対されるって思った。
こんな、あっさり説得できるなんて。
ちょっと拍子抜けするけど……。
許しをもらえて、よかった。