先生、甘い診察してください



「何気に恥ずかしがり屋ですよね?」


ちょっといじめたい、みたいな気持ちになった。私ったら、少しSな一面もあるのかな?


「だって~、あやちゃんがぁ…」

「先生ったら可愛い!絶対35歳には見えないですよー!」



あ、つい可愛いって言っちゃった。




「別に、可愛くないよ…。それに、確かに今年35だけど…、今はまだ34だもん」

「あ、そうでしたね」


何気ない会話だけど、こうしておしゃべりしてるだけで幸せ。



「でもあやちゃん…」

「はい?」

「僕の事、可愛いって言ったけど……」


先生は椅子から立ち上がって、診察台に座ったままの私の真正面に立って



「あ、あの…」


両肩を掴まれて、診察台の背もたれに軽く押し付けられた。




「…あやちゃん」

「せっ、先生……!!」


徐々に近づいてくる、可愛らしい顔。

両手で胸板を押してみるけど、ビクともしない。


大橋先生って顔が可愛い系だから、ひ弱なのかなって勝手に思ってたけど…意外に力、ある。


やっぱり、大人の男の人なんだ……。



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