先生、甘い診察してください
「ねぇねぇ!あやちゃん、知ってる?」
放課後、カバンを持った琉璃ちゃんが声をかけてきた。
「この近くに、オシャレなカフェができたんだって」
「へー。そうなんだ」
さすが、詳しいな。
「それでね…今日ね、光平誘って、行ってみようと思うの」
「えっ。光平くんを?」
「うん。あいつさ…、いっつも部活優先じゃん?だから、積極的に攻めていこうかなって…」
琉璃ちゃんの頬はほんのり赤かった。その表情は、恋する乙女そのもの。
「そっか。がんばってね!全力で応援してるから」
「ありがとう。私、がんばる。当たって砕けてみるよ!じゃあね」
当たって砕ける、か…。
「…私も」
私もたまには、当たって砕けてみようかな?
そうでもしないと、この恋に進展は一生なさそうだしね。
今度、歯医者さんに行ったら思い切って誘ってみよう。
「一緒にお茶しませんか?」って言ってみよう!
かなり勇気がいるけど、琉璃ちゃんみたいに攻めていかないと始まらないもんね。