先生、甘い診察してください



ガッカリしてると、先生の口から思わぬ言葉が。


「本当に僕でいいの?一緒に行く相手」



もしかして、一緒に行ってくれるの…?



「は、はい。先生と一緒に行きたいなって。友達は、彼氏との予定があって…忙しいって」


とか言いつつ、琉璃ちゃんは彼氏にほぼ放置され状態だから、あんま忙しくないみたいだけど。




「そっかぁ。あやちゃんがいいなら…一緒に行く?」


…夢を見てるんでしょうか?



「はっ、はい!」



夢じゃない。


まさかOKしてくれるなんて…。



「だけど1つだけ、条件があるけど…いいかな?」

「条件、ですか?」


ゴクリと息を呑んだ。




「あやちゃんの歯は、まだ治療中。完治はしてない。だからね、できれば甘い物はなるべく控えてほしい」

「は、はい」

「だから明日は、ケーキとか甘い物は注文しないで。飲み物だけにして。これが条件ね」



条件ってそんな事か。



「ごめんね。固い事言って。でも…治療途中の歯に負担をかけたくなくて」

「いえ。そんな条件、へっちゃらですよ」



先生と一緒に行けるってだけで嬉しいんだもん。









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